プロフェッショナル 労働弁護士・川人博 11月20日の見逃し動画 電通の過労死と共産党との関係は?
NHKプロフェッショナル・仕事の流儀(第341回・2017年11月20日月放送)は、「過労死と闘い、命をまもる」と題し、労働弁護士・川人博(川人博法律事務所)の仕事の流儀が紹介されます。
川人博弁護士は、大手広告代理店「電通」新入女性社員の過労死を巡る「労災」認定に視力を尽くしました。
また、過労死問題のエキスパート弁護士としての発言が共産党の機関紙などで度々取り上げられています。
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労働弁護士・川人博のプロフィール
大手広告代理店「電通」新入女性社員高橋まつりさんの過労死を巡る「労災」認定に死力を尽くして労災認定を勝ち取ったのが労働弁護士・川人博(かわひと・ひろし)氏と蟹江鬼太郎氏です。
川人博弁護士は、1949年大阪府泉佐野市に生まれ、東京大学経済学部を卒業後、1978年東京弁護士会に弁護士登録し、文京総合法律事務所を経て、1995年個人事務所の川人法律事務所を創立しました。
そして、1992年より母校の東京大学・教養学部にて「法と社会と人権」ゼミを担当しています。
労災のみならず、人権問題にも取り組んでおり、北朝鮮拉致問題で拉致認定を求める行政訴訟も行っています。
亡き人になりかわる
川人博弁護士は、弁護士として主に取り込むべき仕事を「労働者を守ること」に定め、30年以上にわたり「労災問題」に取り組んで来ました。
しかし、過労死や過労自殺の「労災」の認定は極めてハードルが高く、認定率は全国平均で4割程度と云われています。
川人博弁護士は労災認定の為に、多くの証拠、関係者の証言を徹底的に集め、勤務記録には残らない過酷な労働実態をあぶり出し、労災認定を地道に勝ち取って来ました。
そんな川人博弁護士の仕事の流儀は、どんなに壁は厚く、高くとも、最大限の知恵を絞り、壁を突破する事で「亡き人になりかわる」という心情を元に社会を動かすことに挑み続けています。
電通の過労自殺事案
川人博弁護士は、蟹江 鬼太郎弁護士(旬報法律事務所)と共に、大手広告代理店新入女性社員の過労自殺事案の労災認定を求め、2016年9月30日労災認定に持ち込む事に成功しました。
電通の場合、社員が過労が原因で自殺したのは初めてではなく、1991年にも入社2年目の男性社員(当時24)が自殺し、2000年3月の最高裁判決により労災認定された経緯がが有ります。
川人博弁護士と蟹江 鬼太郎弁護士は、勤務記録には残らない過酷な労働実態をあぶり出す為に、ビルの入室記録に着目しました。
書類上は、高橋まつりさんの残業時間は、労働基準法36条に基づく労使協定「36協定(さぶろくきょうてい)」で定められ得た規定内の残業時間内(時間外労働をさせる場合の限度時間)の1ヶ月の場合は45時間に収まっていました。
しかし、川人博弁護士と蟹江 鬼太郎弁護士が入室カードで記録される入退館記録を基に集計した残業は、10月が130時間、11月が99時間となっており、休日や深夜の勤務も連続していた事が判明していました。
タイムカードで三六協定の残業の規定時間内で退出を記録してからもサービス残業を行っていたという明らかな残業時間隠しが横行していた事が発覚しました。
その他にも高橋まつりさんがTwitterで睡眠時間が2時間だった事や、上司からのパワハラを呟いていた事など証拠が重なり、労災認定され東京簡裁(菊地努裁判官)は10月6日、求刑通り罰金50万円の判決を言い渡しました。
※被害者の母親・高橋幸美さんとの共著「過労死ゼロの社会を -高橋まつりさんはなぜ亡くなったのか-」を出版しています。
※36協定(さぶろくきょうてい)とは、会社が法定労働時間として定められている1日8時間、週40時間を超えた時間外労働を命じる場合、必要な届け出で、違反した場合、労働基準法違反で、6カ月以下の懲役または30万円以下の罰金が課せられます。
※他にも電通社員の労災に関しては、2013年に病気で亡くなった男性社員については長時間労働による過労死と認めて労災認定、2014年には関西支社(大阪市)、2015年には東京本社に対し、長時間労働に関し地元労基署がそれぞれ是正勧告していました。
長年労災と取り組んで来て感じた変化と懸念
30年以上ライフワークとして労災と取り組んできた川人博弁護士は、労災問題の変化を感じています。
20年以上前は過労死や過労で自殺する労働者は、40~50代が中心だったのに対し、今は20~30代が目立つそうです。
そして、女性の社会進出と共に女性の過労が原因の労災が増えてもいるそうです。
また企業が長時間労働を求める原因は、バブル時代の過労死は、業績を上げたい、出世したい、など積極的な動機による長時間労働が多かったのに対し、現在は、企業や自分の雇用を守るための消極的な動機が多いと語っています。
また懸念している労災として、仕事のIT化により会社のみならず場所を選ばなくても良い環境になっているのでいつでも、どこでも仕事が出来るため、仕事のオン、オフの切り替えが出来ないので過労に繋がることを懸念しています。
過労死関連で関わった役職
厚生労働省・過労死等防止対策推進協議会委員
1988年より「過労死110番」の活動に参加し過労死弁護団全国連絡会議幹事長
過労死等防止対策推進全国センター共同代表幹事
その他の役職
内閣官房拉致問題対策本部 拉致問題に関する有識者との懇談会の有識者委員
東京弁護士会人権擁護委員会国際人権部会長
川人博弁護士は共産党員?
結論を先に言うと、川人博弁護士が共産党員とか共産党のお抱え弁護士という事実は有りません。
単に共産党が過労死問題に取り組んでいる為、過労死問題に強い弁護士として川人博弁護士が共産党機関紙の「赤旗」に登場回数が多くなりの組み合わせが検索ボリュームとして増えたに過ぎないのでしょう。
《運転しながら食事…コンビニ担当トラック運転手死亡》弁護士ドットコムhttps://t.co/P4Ag9CF9lo
〈道路貨物運送業は過労死が多い業種。政府が導入を目指す、残業時間の罰則付き上限規制の対象からは外れている。川人博弁護士は、「政府の姿勢は過労死を助長するもの〉— 赤旗政治記者 (@akahataseiji) 2017年9月2日
共産党のみならず民進党の民進プレス電子版でも川人博弁護士は取り上げられています。
つまり過労問題のエキスパートとして労働者の立場を尊重する政党の機関紙で露出の多い弁護士と言えますね。
共産党の機関紙や民進党の機関紙では安倍政権が進める「働き方改革」の参考人として「逆流させる議論だ」「政府の『働き方改革』は長時間労働の規制にはならず、むしろ合法化させるもの」と批判した事が掲載されています。
働き方改革は労災認定を難しくする?
2016年8月に閣議決定した安倍政権による経済対策の一つ「働き方改革」の5本柱として
(1)同一労働同一賃金の法整備
(2)長時間労働の是正
(3)配偶者控除の見直しと「夫婦控除」の導入
(4)雇用のミスマッチ解消
(5)外国人労働者受け入れ―
が掲げられています。
しかし、(2)長時間労働の是正に関してあらぬ方向に向かっている事に川人博弁護士は異を唱えています。
その理由は、
所謂「過労死ライン」として1ヶ月の残業時間が80時間を超える場合、脳・心臓疾患の業務起因性の判断の基準となっていると「厚生労働省」がガイドラインを発表しているにも関わらず、残業時間の上限を月100時間、2カ月平均80時間という案を提示した事に「耳を疑った」と語っています。
この提案は長時間労働の規制にはならず、むしろ合法化させるもので、人命よりも会社の存続が優先されるようなことがあっていいのか?と反論しています。
それだけでなく成果で賃金を支払う「プロフェッショナル労働制」および「企画業務型裁量労働制の拡大」は「残業代ゼロ法案」であり、労働基準法の規定が適用されず裁量労働制は長時間労働の温床で、業務量を決めるのは「使用者」で有るため労働時間、労働内容の把握が困難になる為、労災認定が難しくなると主張しており、「過労死等防止対策推進全国センター」名義で「高度プロフェッショナル労働制」に対する声明を発表しています。
勤務間インターバル規制の提言
川人博弁護士は、過労死の多くは睡眠不足が大きな原因になっている事を鑑み、勤務間インターバル規制の導入を急ぎEU加盟国並の勤務間インターバルの時間を11間にする事が過労死を防ぐ手段の一つとなると主張しています。
「働き方改革」でも提言されている「勤務間インターバル規制」とは、EU加盟国の「EU労働時間指令」で「24時間につき最低連続11時間の休息を確保すること」が義務付けられてており、例えば始業時間が午前9時の企業で、午後11時まで残業した場合、その11時間後である翌日午前10時までは、始業時間の9時を過ぎても就業させてはならないという規制で、午前9時から出勤したとみなし午前9時~10時の時間の給与が保証されるという制度です。
一定時間の休息時間を確保する事により睡眠不足がかなり解消される事が期待されます。
日本でも既に自主的に勤務間インターバル規制を導入している企業が有りますが、7時間程の企業もあり、実際の睡眠時間は4,5時間しか取れないのでEU加盟国並の11時間を主張しています。
「働き方改革」では「勤務間インターバル規制」が議題に上がって研究が始まったばかりです。
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まとめ
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◇ 労災問題のエキスパート弁護士で「亡き人になりかわる」がモットー
◇ 大手広告代理店「電通」新入女性社員高橋まつりさんの過労死を巡る「労災」認定に貢献した
◇ 労働問題の弁護士の為、共産党の機関紙で取り上げられているが共産党とは関係無い
◇ 「働き方改革」の「プロフェッショナル労働制」および「企画業務型裁量労働制の拡大」に反対している
◇ 勤務間インターバル規制の導入しEC並の11時間のインターバル時間を提言している
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— NHKプロフェッショナル仕事の流儀 (@nhk_proff) 2017年11月13日
参考文献
参考資料:
出典:労働時間規制の根幹を覆す「プロフェッショナル労働制」に反対します
サムネイル画像、アイキャッチ画像、本文中の画像は、川人法律事務所オフィシャルホームページの画像を使用しています。
本日は最後までご覧いただきありがとうございました。
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