プロフェッショナル 苑田聡彦[広島カープのスカウト]12月25日/21日の見逃し動画 育成とドラフトの情報戦とは?

2018年2月4日

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NHKプロフェッショナル・仕事の流儀 第345回 2017年12月25日(月)[広島県は21日(木)]放送は「野球の神様に、愛されるほどに」と題して、プロ野球広島東洋カープ・スカウト部長・苑田聡彦氏の選手を育成する仕事の流儀が紹介されます。

ドラフト会議に至る半年間に独占密着し、中村奨成や清宮幸太郎などで沸いたドラフト戦線の裏側に迫ります。

各球団のスカウトの情報戦の真っ只中で苑田部長が土壇場で下した決断とは?

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放送内容:広島カープ・スカウト統括部長苑田聡彦

2016年、2017年シーズン、2年連続でセ・リーグを優勝を果たした広島東洋カープの躍進を支えたのが名物スカウト・スカウト統括部長・苑田聡彦(72)さんです。

球界最年長スカウトでありながら年間350試合を視察し、「ダイヤの原石」を発掘し続けています。

これまでスカウトした選手は、小早川毅彦、金本知憲、江藤智、黒田博樹、丸佳浩、鈴木誠也などで、カープの即戦力を求めず「育成」の風土で育てあてた結果活躍した正に「ダイヤの原石」でした。

資金も豊富とは言えないカープは、12球団で唯一、FA選手を持たず「育成」を武器にダイヤの原石を磨き続け躍進を続けています。

【氏名】苑田聡彦(そのだ・としひこ)
【誕生日】1945年2月23日
【出身地】福岡県
【経歴】1964年、三池工高校でスラッガーとして名を馳せ卒業後に、地元の西鉄ライオンズの誘いを蹴り、久野久夫スカウトの人柄に惹かれ一番条件の低い広島東洋カープ入団。

外野手から山本浩二の入団に伴い内野手へ転向し、三塁手、二塁手もこなせるスーパーサブとして初優勝にも貢献。

1977年の現役引退と同時にカープのスカウトとして東日本を任される。

2006年にスカウト部長に就任、現在はスカウト統括部長を務める。

スカウトのポイント

苑田部長のスカウトのポイントは身体のバランスです。

その為、常々口にするのが

上手い選手はユニフォームの着こなしが格好いい

というセリフです。

その「ユニフォームの着こなしが格好いい」という条件に当てはまったのがカープで活躍した後メジャーリーガーとしても活躍した黒田博樹選手でした。

黒田博樹の発掘

カープ初の日本人メジャーリーガーとしても活躍した黒田博樹選手をスカウトしたのは偶然でした。

専修大の小林幹英選手のスカウト目的で視察した時、黒田博樹選手に一目惚れしました。

特に球速が特に早い訳でも無く投げ方が気に入った訳では無く、プロ選手として必要な「立ち方、走り方、シルエット」が格好良いという直感でした。

そして「負けん気の強さ」でした。

例えば、同じ選手に一度インコースを打たれると、次はアウトコースで勝負するのに、次も同じインコースに投げ込んで「打てるもんなら打ってみろ」という姿勢がありました。

黒田博樹選手は高校生の頃は無名な補欠選手で、頭角を現したのは専修大の3年後半なので、それ以前に苑田部長は黒田博樹選手を「ダイヤモンドの原石」と見抜いていたのでした。

頭角を現せた黒田博樹選手に他のプロチームのスカウトのアプローチが始まりましたが、黒田博樹選手は、誰も注目していないときからグラウンドに一人通い続けていた苑田部長の姿が忘れられませんでした。

その後、ドラフトの逆指名のより、カープに2軍の選手として入団。

練習試合の先発試合の初回で10失点し、二軍監督に「代えてくれ」という顔でマウンドから訴えるも知らん顔されプロの厳しさを教えられ愚直に猛特訓の末、1軍にあがり、優勝に貢献し、メジャーリーガーとして活躍しました。

その後、カープへの恩返しとしてメジャーとの20億円もの契約を蹴りカープに復帰しました。

特に優れた選手でも無いのに自分を認めてくれプロとして育成してくれたカープへの愛がそうさせたのでしょう。

オーナー兼球団社長自らがスカウト会議に出席し視察もする風土

取材が絶対に許されないオーナー列席のスカウト会議など、舞台裏を記録しました。濃厚です。

広島のスカウトの基準は、年齢バランスを重視しており、松田元・オーナーの指示で作成されたチームの選手のポジションや年齢が表組みされた「選手表」です。

この表により、ポジションごとの「薄い年代」が一目瞭然で分かり、年齢から引退時期などが分かり易いので、その年で抜ける穴を埋める為にスカウトすべきポジションの選手が決めやすくなるのです。

そして、松田オーナー自らが毎回スカウト会議に参加します。

苑田部長によると毎回スカウト会議にオーナーが参加するのは、12球団ある中でカープのみと云われています。

松田オーナーは、決して口出しをするのでは無く、例えスカウト1年や2年の新人であろうと意見を聞き入れる為、遠慮なく新人スカウトでも自分のスカウトしようとしている選手をリストアップ出来る風土が有ります。

スカウトに対し全幅の信頼を置いているという確信が有るため、広島カープは一番団結力があると苑田部長は自負しています。

情報戦

苑田部長が新人スカウト時代に、他球団のスカウトから自分のチームに欲しい選手について手を引かせる為、「◯◯選手はプロ野球では通用しない」という嘘を流された経験もあり、他人の噂や話では選手の判断をしない流儀を持っています。

信じるのは自分自身の直感なのです。

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まとめ 2017年苑田スカウト部長が選んだ選手は

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2017年のスカウトでの台風の目となった早実・清宮の獲得からは、カープは10月2日撤退をいち早く表明しました。

その理由は「カープのスタイルに合わない」との理由で、現場は足の速い選手が求められていた為でした。

カープがスカウト1位に決定したのは、2017年夏の甲子園で1大会で6ホームランを放ち今までの1大会でのホームラン最多記録(清原和博・PL学園、5本塁打)を更新した右打者・広陵高の中村奨成捕手でした。

その理由を苑田スカウト部長は、20~30年出てこないような肩の強さだと評価してました。

そして、契約金1億円プラス出来高払い、年俸800万円で、背番号はキャッチャーのエースナンバー22が与えられた事からカープの中村奨成に対する期待が感じられます。

1977年の現役引退と同時にカープのスカウトとして東日本を任され現在はスカウト統括部長

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小早川毅彦、金本知憲、江藤智、黒田博樹、丸佳浩、鈴木誠也などを発掘

小林幹英選手のスカウトで訪れた専修大で当時無名の黒田博樹の佇まいに一目惚れスカウトした

選手のスカウト基準はチームの選手のポジションや年齢が表組みされた「選手表」を基にしている

「選手表」は、松田元・オーナーの提案

本日は最後までご覧いただきありがとうございました。

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